11年目に入った「竹の焼畑」。奥出雲町佐白のダムの見える牧場の未開拓地たる荒廃竹林を伐開し、火を入れ、畑で雑穀などを栽培しながら植生遷移を観察しつつ山仕事をすること。……というのが主なところです。ここは、その日程などを告知するページ。よろしくお願いいたします。
◉あれこれ予定日 schedule
山に雪が積もると、足跡が残ります。足跡をたどると、どんな生き物がどこからどこへ向かったのかがわかります。そんなことを読み解きながら、竹を伐ったり、消炭をつくったり、土を寄せたりする、そんな月です。合間をぬって調査もぼちぼちと。塞の神、万霊塔をたずねます。
2025年
【1月の予定】
●山の手入れなど
1月26日(日)8時〜16時:消炭づくり、座学とオンライン講義視聴など
2月2日(土)13時〜16時:荒廃竹林伐開
2月7日(金)10時〜16時:「森の交流会」参加:安芸高田市旧郷野小学校 図書室
2月9日(日)10時〜16時:荒廃竹林伐開
2月15日(土)9時〜16時:奥出雲きこり友の会ー実践研修(伐木造材トレーニング、林内作業車取り扱い実習)
2月18日(火)13時〜16時:荒廃竹林伐開
●その他
☆美保関・島根町周辺民俗調査…日時未定
☆図書館地域資料整理…月・水曜を候補日として(雲南市内図書館)
☆旧阿須那村周辺・掛合町・飯南町民俗調査…日時未定
◉参加申し込み欄
氏名、メールアドレスは必須です。
ご質問などはメセージ欄に。やりたいこと、できること、できないことなど、ご自由にお気軽に。
遅くとも2日以内に返信いたします。
なお、送信がうまくできないという方へ。【森と畑と牛と】の方でお試しください。
また、お問合せ・お申込はFAXでも受け付けています。
fax 618-8921-4124
◉集合場所
予定日の欄に特記ない場合は、ダムの見える牧場になります。
ダムの見える牧場:島根県仁多郡奥出雲町佐白529-1(下の方に地図あり)。予定時間帯内の1〜2時間だけでも参加可。
◉持ち物・服装など
・長袖と頭部を覆うバンダナや帽子、タオル等(肌と頭部が隠れる服装)とレインウェア(雨風をしのげるもの)
・斜面でも滑りにくく歩きやすい靴や長靴
・手袋や軍手など手を保護するもの
・水分補給用水筒やペットボトル等
・夏期には虫除け(携帯用蚊取り線香、スプレーなど…)。
※夏季はかなり汗をかきますが、疲れたら木陰でひとやすみ。汗をふくタオルは多めに、着替えはほぼ必須です。また竹を運んだりすると泥などでかなり汚れます。手袋(できれば革製。大きめのもので二重にするなどでもOK)などは濡れること前提で複数用意し、ゴム手袋が一組あると役立ちます。
※以下はある人は持参いただけるとよいです。こちらでも用意はあります。
・ノコギリ、鎌やナタ(モウソウチク、低灌木伐採)
・ヘルメット
・チェーンソー、刈払機(作業内容により)
◉参加費
特に記載がない場合、無料です。
◉内容
以下のものの中で適宜行います。
1.荒廃竹林の伐開……竹の伐採、運搬、消炭づくりなど。複合林あるいは草地への転換、または気持よい竹林に生まれ変わらせるためのいろいろ。森づくりでもあります。
2.森の声を聞く……「竹切っていいかあ」「火入れていいかあ」。森の声を聞くという観察の時間。めざすところは野外博物館。自然がめぐり、風と虫と鳥と牛と人と水が、協調しながらつくる、多様性に満ち満ちた「谷」をつくっていきます。
3.火入れへむけてのこと……年に1〜2回、火入れをする山野の整備です。材の伏せ込み(竹や木の枝などを積み増しします)や防火帯づくりなど。水をタンクにためたり、ホースをまわしたりなどいろいろ。
4.火入れ……山に積んだ材に火を放ち延焼させます。きたる2023年は春に1回、夏に1回を予定しています。見学や調査も受け入れています。
5.焼畑作物を育てる……育てるというよりは見守ること。焼畑は基本的には畝立てもなにもしません。草をぬいたり、牛が畑に入らないような柵をもうけたり、間引きしたりということ。
6.収獲する・食べる……実験的な活動ですので、多種多品目栽培です。穀類、野菜類を育てますので、収獲後の脱穀選別調整や料理の試作なども。
7.野山のごちそういただきます……自生する木の実や山菜などを、観察しながら採取します。
8.竹を使ったあれこれ……紙をつくったり、竹筒を火にかけておいしいものをつくって食べたり。器づくりや箸づくりなども。
9.地域の食文化調査としての、聞き書き調査。その他民俗・歴史・文化の調査と関連ボランティアなど。
※天候不順の場合、中止または屋内での活動となります。
●案内図
◉終了履歴
1月3日(木)sec.1……竹林伐開;1名、15:00〜17:00、曇り↑4℃↓4℃/
1月18日(土)sec.2-1……消炭づくりへ竹の伐倒と整理;1名、15:20〜17:20、晴れ↑11℃↓5℃/
1月19日(日)sec.2-2……消炭づくりへ竹の伐倒と整理;1名、15:30〜17:20、晴れ↑12℃↓9℃/
1月21日(火)sec.2-3……消炭づくりへ竹の伐倒と整理;2名、13:20〜16:20、曇り↑11℃↓9℃/
1月24日(金)sec.2-4……エンジンポンプ動作確認、竹伏込み、落葉拾い;1名、15:30〜17:40、曇り↑11℃↓7℃/
◉趣旨
†.「出雲の山墾り」は、荒廃した山野を、焼畑をはじめとした生態系管理手法によって再生させようという活動です。人口減少下の中山間地の環境保全・国土保全のための手法開発の実験でもあります。
†.今年で11年めとなる取組は、島根大学の学生グループである里山焼かんかね?、奥出雲の団体である奥出雲山村塾、森と畑と牛と、放牧酪農を行うフィールド提供者・ダムの見える牧場、の5者を中心とする、複数の団体や研究グループが共同して取り組む事業です。メンバーは、庭師、農家、大工、また県外からの参加者や歴史学・生態学の研究者も交え、バラエティにとんで面白い集まりです。
◉山墾り
やまはり、と読みます。開墾の墾をはるとよむのです。万葉集の時代にまでさかのぼる古語ではありますが、今の時代にあっても身に染み入る語感を有しています。
「開墾は藪を刈り払って墾す時に」とは、吉野せい『洟をたらした神』に収められた「春」の一節。はるとは、払、遙、原、そして春の語幹となっているように、はらいのけてはるかにみわたせるようになることの義をもちます。