【現場概況】
◆下の写真は5月7日の現場です。このとき竹の伏せ込みや草刈りは未了。画面向かって右が北でして、斜面は張り出した山塊の北西面になります。
◆北側上から着火していきます。竹の置き方に濃淡があるのはまとめて火勢をつけるところとなだらかに延焼させていくところに差をつけ、火のコントロールをしやすくするため。崖に近い面では上から燃えた竹が落ちてくれば着火します。当日までの天候、当日の湿度や風など条件がよければ、3〜6時間ほどでうまくまわしきって終了となります。ただ、そんなことはめったにありません。
◆だいたいは、燃えすぎるか、燃えないか。です。どちらといえば、後者に転ぶように準備をしていきます。燃えすぎないためには、まず竹を高く積みすぎないこと。春は膝下以上の高さにしませんが、たとえば3日前に20mmの降雨があった場合など、着火部と中継部など部分的に積み増しをします。逆に乾燥しすぎている場合は高くなっているところを崩します。
◆積んである竹はほとんどが3年経過したもので、はぜることはありませんが、中には半年〜1年ものも混じっています。基本的には下層に投げ込まれているはずですが、上方に混じっているものが僅かにあるかも。はぜた竹(燃えたものあるいは炭)は、これまでの記録で最大20m(水平面計算)飛びます。竹林の中には立ち枯れの杉が点在しています。万が一その根本の枯葉に飛んでいくと少々厄介です。
◆燃えにくい場合も難しいのです。延焼しないと、竹が積んである部分ごとに人力で竹を寄せながら燃やしていきますが、今回は急傾斜に点在しているため、大変な労力を要します。秋冬、あるいは夏であれば、燃えなかったからここまで、ということがやりやすい。春の場合、燃えやすいものの堆積があり、燃やしている周辺部分も乾いていきますので、途中で切ることが大変むずかしいのです。しかも、なかなか燃えないときには灰にまでならない炭が大量に発生します。土の上ですので、相当量の放水をしても消えません。そうなると、夜通し監視することになります。
◆当日は、前日までの気象状況をベースに、風力や向き、日照、地形、周辺植生、竹や草の乾燥度、燃焼の進み方、自分の体力など、いくつかのパラメータを、逐次頭に入れながら、最適行動を都度えらんでいきます。前日までに幾通りものパターンをシュミレーションしますが、当日はさらに。
知れば知るほど、体験すればするほど楽しくなりますよ。お楽しみに。
なお、島根大学里山管理研究会を中心に準備している区画については、時期未定ですが5月下旬〜6月上旬に火入れ予定です。