大豆と大麦と味噌づくり雑感

Omojiro/ 1月 31, 2023/ 焼畑/ 0 comments

1年目にアマランサスタカキビをつくったここの畑では、2年目に大豆を蒔きます。とくにアマランサスのあとでは出来がよいのです。確定はできませんが、これまでの経験上。目指しているのは、タカキビの後、大麦をまき、6月上旬までに収穫をおえて、そこへ大豆か小豆を蒔く……という形。これまでのところ、大麦は春に食べられてしまうため、試せていません。鹿は北の山からやってくるようです。雪にふまれた冬をこして、春の陽射しに茎をのばしはじめ、葉をたてはじめた頃に。いくつかの場所で何度か挑戦しましたが、その都度やられたので、いまはまいていません。

大豆も大好物としている生きものはいて、どこのだれとは言い難いのですが、近所にすんでいるタヌキかアナグマです。キツネかもしれませんが、わかりません。イノシシでないことは「被害状況」からみてあきらかなのですが……。ともかく、収穫しようという前日に食べられること数回。ここ数年はあきらめて蒔くのをやめていました。

今年はまこうと思うのです。種子はじめ準備は着々と。大豆は自給用であれば、もともと山の畑に向いています。まず肥料を持ち込む必要がありません。焼畑2年目でも前作にもよりますが耕起は不要。土寄せはするに越したことはありませんが、できなければ支木を使います。日照と降雨にさえ恵まれれば、けっこうな量がとれます。地形地質にもよるのですが、今年の土地はよいとはいえないが悪いというほどでもない。まあまあ。20mほど入ったところにタヌキの糞場がありましたが、その周辺は春までに竹を伐採して開放空間とします。

また、やられるかもしれません。対策はなくはないのですが、ふと、話し合ってみてはどうだろうと思うのです。まあ、ふつうに通じる相手ではないのはわかっています。冬の雪の上でみた、タヌキらしい足跡を見ながら…、あるいは、糞場のまわりの竹を伐りながら、踏むまいぞ踏むまいぞと心しながら、つい踏んでしまったとき……。あるいは、次のような話をきいたとき。

牧場には番犬がいます。牛の餌をちょっと横取り気味につまみ食いする輩を追い払うのですが、なぜかタヌキとは友だちになってしまうのだと。化かされているのでしょうか。それでもいいのですが。犬には人の意思が通じます。ならば、犬が友だちとして遇してしまうタヌキにだって、人の意思は通じうるのではないでしょうか。その可能性を試してみたいと思うのです。

また、数週間前のこと。知友が「ほんとにね、しまったと、やってしまった」と悔しそうに語ったことが思い出されます。
「夜遅かったんだけど、いつも注意して、ゆっくり運転するんだ。その日もそう」
「ほんとに、急に出てきて、目があったときには遅かった。タヌキってなんで、ああいうときに立ち止まるんだろうね」
「車を路肩にとめて、駆けつけてみたけど、息はとまっていた。なんどもさすりながら、声をかけたけど、動きゃあしない。かかえて、藪のなかへそっとおいた。」

出来心のようなふっとした思いではありますが、心にとめつつ望みたいと思います。

昨年、ツルマメ(野生大豆)をヤブツルアズキが自生している隣で見つけたことも、大豆や小豆に対する気持ちを押しあげてくれました。工藤雄一郎さんが「縄文人が利用したマメ類」でかかれているものが短くとも要を得ているので、ご覧ください。いま、ここの焼畑でやろうとしているのは、大豆を少しばかり先祖がえりさせることなのです。それは少しずつですが、ほんのわずかな妄想に近いものですが、手応えを感じはじめています。

昨年、実は火入れ初年ではありますが、大豆を畑の隅に少しだけ撒いています。台風になぎたおされ、牛にかじられ、踏み倒されもしながら、わずかであれ種子を残しました。強いなあと感心したものです。諦めることなく続けるべしと諭されたのです。変動に強いもの、育てやすいものを育種していこうという目論見とも歩を同じくします。また、ベランダのプランターでも、小さな庭のような場所でも育てられること。ここの森や焼畑や牧場の牛たちが関われればいいなあとも。具体的には「土壌」です。生きた土です。そして種子。ほかにもたくさんありますよ、焼畑や竹を焼いてできた炭、山の腐葉土、少しの牛の糞、茅やセイタカアワダチソウの茎。あるいはドングリ。まだ試験中なのですが、いくつかの木はプランターの畑と相性がよいのではと考えています。コナラ、シラカシ、アベマキなどのどんぐりの木、あるいははっさくなどの柑橘類です。

できた豆は味噌にすることがこれまたひとつの目標。1kgほどとれれば、2kg強の味噌がつくれます。小家族なら1年ぶんの量になるはず。さて、今年の焼畑2年目の大豆畑。夏の暑い時分にそこそこ雨も降り、台風もひどいものにはならず、タヌキとの話し合いがうまくいき、などなど万事そこそこでさえあれば、12家族ぶんくらいのものはできるはず、なのですが、さて、いかがなりましょうか。

奥出雲の焼畑で大豆を育ててみたいご家族、個人、グループ、募集中です。味噌づくりまでのコーディネートつき。

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