ツルアズキを植えてみるその準備メモ

課題となっているツルアズキのこと。
★生物資源価値からの切口で、関連する公開論文やコラムなどいくつかピックアップしたので、あげておきます。

1)農業生物資源ジーンバンクのページ
ここにあげられている関連文献をあたっておきましょう。
チップスとしては、「※野生種の種子はそのままでは吸水しませんので、カッター、紙やすりなどで種皮に傷を入れてから播種してください」……やはりそうでしたか。。。作業がまたひとつふえましたよ!!!
島根県では益田の白上川横の水田脇で採取したものが登録されています。
https://www.gene.affrc.go.jp/databases-core_collections_jv.…

2)…えっと、しかし、出雲地方のどこかにだって残って自生しているのがあるのだろうなあ。ということで、友岡憲彦の「野生アズキを探そう!」

10月頃、花が咲く頃に探してみよう! 写真のように花は黄色。特徴は葉にあります。「野生アズキをはじめ、いろいろなマメの葉は左の写真のように三枚の葉(小葉)からできています。このように三枚の小葉からできている葉を三出葉(さんしゅつよう)といいます。アズキもダイズもササゲもインゲンマメも全部三枚の小葉をもつ葉を持っています」。
探すところは、河原と田んぼの脇が有力ですが、こりゃ田んぼの脇というか畦のそばでしょうね。
ツルアズキー友岡憲彦

3)友岡憲彦,加賀秋人,伊勢村武久「アズキの起源地と作物進化」
豆類時報 (51), 2008.6 29-38〜DNA分析と出土資料から、アズキの起源地の一方が日本にあると説かれたもの

4)野生アズキといえば、友岡憲彦の名を見ないテキストはありません。どんな人なんだろう?ということで、ご本人のコラムとしてこちら。
「野生種の豆の可能性を引き出し、食糧危機にも備えるアイデア」
ナイス!ですな。

◉補遺
†.出雲地方周辺におけるツルアズキの今と昔を見てみたい。
★文献としてはこちらがある。野田愛三. 1951. 在来種に関する研究.山陰地方におけるツルアズキの研究(第一報).日本作物学会紀事 第21巻 第2号 pp.134-135.
http://ci.nii.ac.jp/naid/110001741049

「ツルアズキを植えてみるその準備メモ」への2件のフィードバック

  1. 面代真樹 より:

    ヤブツルアズキをとって餡にして食べてみたら、えらい美味かったというレポート。
    「アズキよりうまくね?」とのこと。皮がうまいんだとか。探して食べてみませんか。そして焼畑で栽培してみようじゃありませんか!
    http://www.outdoorfoodgathering.jp/original/yabutsuruazuki/

  2. […] いろいろと考え、古い資料をひっくり返したりしてみました。そう。もともとアズキはとてもおもしろい豆ですし、日本で研究・調査する価値の高い生物資源でもある。 素人の疑問として、栽培アズキが日本起源であるという説はDNA解析の進展とともに有力さをましているようですが、他の多くの作物、イネ・ムギ・アワ・キビ・が中国大陸からもたらされたものであるのに対し、なぜアズキは日本から大陸(東アジア)へ伝播していったのか。 日本思想の特質とも重なるようで、これ、大変刺激的なヒントをはらんでいると思うのですが、いかがでしょうか。 ●ツルアズキを植えてみるその準備メモに追加する参照資料として、《山口裕文「照葉樹林文化が育んだ雑豆”あずき”と祖先種」2003,〜『雑穀の自然史』北海道大学図書刊行会所収》をあげつつ。 日本でもっとも古いアズキ出土は滋賀県の粟津湖底遺跡(6000年前)ですが、他をみても軒並み日本海側、山陰〜北陸に分布しているのはこれまた興味深いことです。鳥取県の桂見遺跡では、4000年〜5000年前の炭化したアズキが出ています。桂見遺跡といえば、6mをこえる長さの丸木舟2槽が出たことで知られますが、人とともに種や豆が海を越えて行き来したことを夢想せずにはいられませんね。 さて、これから10月にかけて、野のあずきを探しにでかけてみませんか。5000万年の記憶を探しに、秋の野に。 […]

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