静岡で焼畑フォーラム

さる3月16日、静岡市内のホールで焼畑フォーラムが開催されました。テーマは「焼畑が拓く食・森・地域の未来」。一般参加も含め132名が集いました。多くは静岡市内、もしくは静岡県内の市町村の方でしたが、新潟潟、東京、神奈川、茨城、埼玉、愛知、京都、大阪、兵庫、鳥取、高知からも。
17日は大井川の上流部にして標高1000m地帯・井川地区(南アルプス)でのエクスカーション。その一端を報告します。
このフォーラムは、焼畑実践者の集まりであることに大きな意義と特徴があります。参加地域は地元の静岡県井川地区、山形県鶴岡市とお隣の秋田県山北、福井の味見河内、滋賀の余呉、宮崎県の椎葉、熊本県水上、そして奥出雲。こちらは50人ほどが集う、濃密な会なのです。

森と畑と牛と。としては、島根大学里山管理研究会、奥出雲山村塾とともに面代が代表して行ってまいりました。発表資料はのちほど公開予定ですが、2つだけ要点を。

・奥出雲の竹の焼畑……伝承を調査しながら、実践している。今年で5年目。在来種は、林原のタカキビ、三刀屋(おそらく三沢も同系)の里芋、横田小蕎麦。多種の混作を200種を目標に試行中。

・焼畑地でガーデンパーティーを……2017年の夏、佐白の焼畑地のそばでガーデンパーティーを開きました。私たちの夢=目標は、このパーティーで使う食材のすべてを焼畑でとれたものにすること。イタリアのアンドレア・ピエローニは世界最高の食のあり方をおく定義しています。
「一つの皿の上で土地の生態系を体験するのみならず、その地域の歴史や伝統も感じることができるもの」
これができるのが焼畑であると、そう思い精進する日々です。

●在来作物の宝庫としての静岡
じつは多いんですね。静岡大学が行ってきた調査によれば、県下に少なくとも70品目250種以上。なかでも焼畑を数十年ぶりに復活させた井川の本村、小河内を最北とした奥静岡(オクシズ)エリアには120種と集中しています。以下のリンクをご参照ください。

静岡在来作物ガイドマップ
http://www.city.shizuoka.jp/000162419.pdf
大川地区と玉川地区のマップ。ガイドマップは井川などもう一種類あるはずですが、たどれず。下にある「井川の在来作物」が地図こそないもののほぼ同じ内容を掲載していると思います。

井川の在来作物
http://nanpusu.jp/indigenous-crops/index.html

静岡在来作物研究会
https://shizuokazairai.wordpress.com/

●在来作物について、江頭宏昌氏
セッションでは短い時間のなかで的確なコメントをされていて、箇条書きですが記しておきます。※録音から起こしたものではなく、記憶に基づくメモです。

・タネとりについて……種の交換などに際しては、種そのものでなく採り方などもあわせて手にすることが重要。たとえば、在来カブの種継には様々な伝承が聞かれるが、母本選抜する際に、大きなもの形がいいもの(特徴をよく再現しているもの)だけでなく、一見できそこないのようなものも混ぜることは共通してある。交雑しやすいアブラナ科作物の系統は同じ形質だけがかけあわされると種の力を次第に失っていくからで理にかなっている。

・なぜ焼畑をするのかということ……伝統を守ることと同時に、科学的理解を並行して。輪作体系には雑草の抑制はじめいくつかの意味がある。火入れをしなくなった畑でカブをつくり続けることで、根こぶ病が大発生している。

・新しい食し方、食物のいかしかた、食文化をつくっていくことが重要。

以下参考資料

山形の在来作物・江頭宏昌
http://osyaberinahatake.com/wp/wp-content/uploads/2017/04/no20s.pdf

菅原清康
熟畑化過程における雑草植生の変遷に関する研究
―第6報 原野から熟畑に至る過程における雑草植生の変化

https://www.jstage.jst.go.jp/article/weed1962/23/2/23_2_79/_article/-char/ja/

熟畑化過程における雑草植生の変遷に関する研究
ー第8報 焼畑農法における雑草植生の変化

https://www.jstage.jst.go.jp/article/weed1962/24/2/24_2_74/_article/-char/ja

●以下、順次加筆しますが、写真など

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温海では、火入れ許可が年間110件! 一霞のほぼ全世帯が従事している勘定らしい。

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椎葉の焼畑は小学校での体験授業が長年続けられてきた。実施に際しては地元青年団、すなわち卒業生が支える。ありそうでないこと。

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これだけ在来の雑穀があるなんて。自給的栽培を保全するなかからのもので、JAや農業振興としての取り組みでは、こうはならないのではと。

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森と畑と牛と.展で使ったものをアレンジしてつくりました。説明は口頭で。2時間しゃべりっぱなしでした(つまり盛況)。

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いつごろの記録なのですか? 14年前からはじまった取り組みのなかでとおっしゃっておられたので、10〜15年ほど前だろうか。ただ当時はほとんどつくる人もいなくなっていて、ふたりのおばあちゃんに、ほぼすべての料理を再現してもらったものだという。発売はされておらず、県内の図書館にはVHSで納品されているというが、どれだけいかされているかは不明。もう一度ここ(井川にあるエコパークビジターセンター)に行って、じっくり見るしかないね。

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「椎葉にあるのも同じだよ~」と関係者いわく。アワボッター、ヒエボッターというのだと思う。形を模したものであるとともに予祝儀礼が子どもの遊びのなかに残存したもの。
材は、竹とヌルデ。
竹については、細工のしやすさととらえがちですが、聖木としてみるべき。ヌルデは焼畑後最初に入ってくるパイオニアプランツ。奥出雲佐白の焼畑地でもそうです。
遷移が進むとほかの樹種におされて消えていくという。

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山の集落でばあちゃんを見かけたら話しかけずにはいられない。田舎で芸能人に出くわすようなもの!?

P1280991
茶畑の耕作放棄地を茶樹をかたし、ススキを抜き、間伐の枝などもまじえて焼畑に。石は出てきたものを積んだとのこと。レキの多さはこの地域ではふつう。

P1290001
右がハキンカブ、左が地カブ。

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ダレキビ。まあ、

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